いま、河野太郎行政改革担当大臣がTwitter上で大人気です。
フォロワー数は230万人(2021年5月時点)を超えていて、ネット上で熱く支持されている政治家といえます。
特に、公務員の働き方をめぐるツイートが河野大臣に寄せれられてます。
最近、話題になったこと
- 残業代の不払い
- 行政手続きでのハンコ廃止
- テレワーク実施状況の虚偽報告
ツイートの多くが公務員を名乗る匿名のアカウントからで、私と同じく職場にバレないように発信をしている方々からです。
なぜ公務員は直属の上司や管理職に相談するのではなく、ツイッターという公の場でしかも大臣あてにメッセージを送るのでしょうか?
その理由を現役国家公務員である私が考察します。
この記事でわかること
- ツイートをする公務員の心理
- 公務員が発信することの危険性
これから実際のツイートを紹介していきますが、匿名のアカウントからのものなので、ツイート内容が事実かどうかは不明です。
匿名でしか発信できない公務員の「世知辛さ」と、それでも大臣に伝えたい「想い」を感じながら、エンタメとして楽しむつもりで見ていってください。
画面越しのあなたは公務員の「暴露」ともいえる発信をどう思いますか?
では、本題に入ります。
国家公務員(匿名)がTwitterで河野大臣に送ったツイート
当記事では、河野大臣と公務員(匿名)の方のツイートを多く引用させていただきました。

「引用」が増えすぎるのは、検索エンジンのシステム的にあまりよろしくありません…
ですから、ここではひとつだけお気に入りのツイートをご紹介します。
どこの部署? https://t.co/ehffiZFsI3
— 河野太郎 (@konotarogomame) January 8, 2021
ツイート主の方はおそらく国家公務員です。ツイートされたのは2021年1月なので、時期的には第2回目の緊急事態宣言のときですね。
民間企業と役所はともに「テレワークの実施率7割」を目指していたころでした。
テレワークの実施率をごまかすために出社するなんて、「なんとも公務員らしいな〜」と笑ってしまいました。
このツイートに「どこの部署?」で返信するあたりもおもしろいです。
テレワークの実施率をごまかすために出社していた課長補佐が、このツイートを見たかどうかわかりません。
しかし、見かけてしまった場合は震え上がっていたことでしょう。
その頃わたしはこんな記事を書いていました。
>>公務員、テレワーク(在宅勤務)で出勤者7割削減は無理?ほぼできないと思います。
Twitterを使い、匿名で発信をする公務員の心理を分析
先ほどは河野大臣あてのツイートを紹介しました。
なぜ公務員はTwitterで河野大臣に意見を言うのでしょうか?
公務員の心理は下記のとおりです。
公務員のキモチ
- 上司に相談しても無駄
- 相談することで反感を買いそう
- 河野大臣なら改革してくれそう
それでは順番に解説していきます。
・上司に相談しても無駄
職場内での時代にそぐわない慣習を変えたいと思ったら、「第三者に聞いてみるのが有効だ」と思うのは自然な考えです。
特に民間企業(外の世界)との交流が少ない部署は、「新しい技術」「新しい慣習」が入ってきづらい環境があります。
「職場内のことを職場内で解決するのは無理じゃね?」と頭を抱える公務員は多いです。
ちなみに私は、「組合の力は弱まっている、それなら毎月の組合費がもったいないな」という考えで職員組合を脱退しました。
>>20代の公務員が労働組合(職員団体)を脱退した結果どうなった?
・相談することで反感を買いそう
既存のルールを変えようと相談すると、反感を買うというリスクがあります。
「今まで通りでいいじゃん」「これでやってきたんだから」「前例が無いからできない」公務員は特にこういう人が多いです。
匿名であれば、「反感を買う」というリスクを負わずに意見を言えるメリットがあります。
・河野大臣なら改革してくれそう
下記のツイートから、「意見をしっかり聞くよ」という強い意思が感じられます。
行政改革目安箱(縦割り110番)を立ち上げました。
無駄な規制、仕事を妨げている規制、役所の縦割りで困っていること等々、規制に関する情報をお送りください。
霞ヶ関の住民からのインプットも歓迎します。https://t.co/bCg371L4Xf— 河野太郎 (@konotarogomame) September 17, 2020
「霞ヶ関の住民」=公務員
まさに、匿名でTwitterを利用している公務員のことを指しています。
要するに、「困っていることがあれば直接、わたし(河野大臣)に言ってください」というわけです。
さらに下記のツイートから、河野大臣の「実行力」の強さが感じられます。
本日、霞ヶ関の残業時間を厳密に反映した給与が支給されることになっています。もし、そうなっていない場合は、内閣人事局に通報を。
— 河野太郎 (@konotarogomame) February 16, 2021
ネット上で「あれやります」「これやります」と発言する政治家は多くありません。
これらのツイートを見るだけでも、公務員からの声が届く理由がわかりますね。
なぜ河野大臣にツイートするのか(まとめ)
河野大臣はTwitter上で一般人と日々交流していて、普通に返信や引用リツイートをしています。

大臣とは思えない「絡みやすさ」がある。
著名人であるにも関わらず「返信の可能性がある」ということから、一般の人のみならず公務員も意見を言っているのだと思います。
普通の公務員が職場で意見を言ったとしても、同じ部署内だけで話題を共有するぐらいが限度です。その人数は100人〜1000人ぐらいといったところです。
Twitterでつぶやいてしまえば、スマホひとつで意見を届けることができます。共感を呼ぶ内容であれば、数万〜数十万人の目に触れます。
以上の理由から、匿名の公務員はTwitterで河野大臣あてにツイートしていると考えられます。
公務員がネット上で発信することの危険性
先ほどは公務員の心理についてお話ししてきました。
良いことばかりのようでしたが、危険な点もあります。
危険な点
- 身バレする
- 守秘義務に違反する
- 公務員の信用が下がる
以上が危険な点です。
順番に解説します。
・身バレする
部署名がわかるようなツイートをしていたり、個人が特定できるような情報を投稿していると簡単に身バレします。
これは「気をつけること」でしか対策ができません。
私の職場では、「SNSのアカウントを持つぐらいはいいけど、投稿はしないほうが良いよね」という空気感があります。
公務員のあなたもそんな空気を感じているのではないでしょうか?
発信をするならバレないように気をつけましょう。
・守秘義務に違反する
守秘義務に違反すると、法律に触れることになります。
国家公務員法第100条
出典:人事院|秘密を守る義務
職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
地方公務員の方も、各組織ごとに同様の規則があります。
特に業務上知りえた情報(個人情報等)の取り扱いには注意しましょう。
・公務員の信用が下がる
匿名だからといって、何でもかんでも暴露していたら信用はガタ落ちです。
国家公務員法第99条
出典:人事院|国家公務員の職務専念義務及び信用失墜行為の禁止について
職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となる行為をしてはならない。
信用失墜行為は国家公務員法で禁止されているので、ツイートをする際には注意が必要です。
市民や国民からの信用があってこそ、公務員の仕事が成り立っていることを忘れてはいけません。
まとめ
まとめると
- 上司や同僚に相談しづらい現状がある
- 相談したとしても変わらないと思っている
- 危険性も理解した上で発信しよう
こんな感じです。
公務員がネット上で発信することについては賛否両論あるでしょう。
わたしなんてブログも書いていますからね。アンチの方々が一定数いらっしゃることは重々承知のうえです。
皆さんはどう思いましたか?
わたしはネット上だけでなく、「職場でも意見を言いやすい環境になったら良いな」と思います。
とはいえ、周りを変えるのはむずかしいです。「上司を変える」ましてや「日本を変える」よりも、自分が変わってしまうほうがラクだと思っています。
今後もこっそりとブログを書きつつ、資産運用をしつつ、働かなくても良い状態を目指します。
今回は以上です。
では、また〜