- 労働組合の存在意義がわからない
- みんなが入っているから入っている
- 脱退したら仕事に影響するのかな?
- もしかして出世できなくなることも?
こんなお悩みを解決します!
入庁してすぐに、「みんな入っているから」と勧誘され、わけもわからず入会して、組合費を払い続けていることに違和感を感じる人は多いのではないでしょうか?
実は私も同じ気持ちでした。
私は
- 22歳
- 4年目・高卒国家公務員
- 組合を3年目の時に脱退しました
実際に組合を脱退してみてわかったことを書いていきますね。
この記事でわかること
- 公務員の労働組合(職員団体)とは?
- 労働組合に加入するメリット・デメリット
- 組合を脱退した理由とその後
では、本題に入ります。
公務員の労働組合(職員団体)とは?
労働組合とは、職員の労働環境を維持・改善するための組織です。
一般職の国家公務員(行政執行法人職員を除く。)は、国公法第 108条の 2の規定により、警 察職員及び海上保安庁又は刑事施設で勤務する職員(本章第 1節において「警察職員等」とい う。)を除き、勤務条件の維持改善を図ることを目的として職員団体を結成することができる こととされている。
出典:職員団体-人事院
公務員は労働組合法の適用を受けないため、法的には【職員団体】を結成できると記載されています。職員団体=労働組合=職員組合、呼び名が違うだけで同じです。
お恥ずかしい話、私が入庁してから3年目に組合の脱退を検討するまで、組合がどんな組織か詳しく知りませんでした。
わけもわからずお金を払っていたということになります。
組合の脱退を検討した時に、加入しているメリット・デメリットを吟味したのでご紹介していきます。
公務員が組合に入るメリット
私は毎月の組合費を払う価値を感じなかったのですが、考えられるメリット3つを一応挙げておきます。
- 異端児扱いされない
- 後ろ盾になってくれるかも
- レクリエーションに参加できる
順番に解説します。
・異端児扱いされない
組合の加入率が高ければ高いほど、加入しない人は異端児としてみられる可能性があります。
加入すればそんな心配は無く、皆んなと同じ人として見てもらえます。
・後ろ盾になってくれるかも
たとえば、時間外労働が増えたり過酷な勤務環境になってしまった場合、当局と交渉をしてくれます。
ただし、交渉権があるだけでストライキ等は禁止されているので、当局に対して強制力はありません。
・レクリエーションに参加できる
新人歓迎会や旅行などのレクリエーションに格安で参加することができます。
組合費から費用を出していてほぼ無料で楽しめるので、他の職員との交流がしたい方にとっては良いかもしれません。
公務員が組合に入るデメリット
私はデメリットが大きいなと感じたので脱退をしました。デメリットは2つあります。
- 組合費が負担になる
- 役員を任される可能性がある
順番に解説していきます。
・組合費が負担になる
私が所属していた組合だと、毎月1500円〜給料月額に応じて組合費の支払いがありました。
給料が上がれば組合費もあがります。
組合費が上がらないとしても、1500円×12ヶ月=18,000円
40年間働くとしたら、18,000円×40年=72万円です。
実際には組合費は上がっていくので、定年までに100万円近く払うことになります。
※それぞれの組合によって決められています。
・役員を任される可能性がある
管理職や当局と交渉する役員を任される可能性があります。
上記のようなオフィシャルの役員ではなくても、レクリエーションの企画や幹事を任されることもあるので、仕事以外の負担が増えることもあります。
公務員の私が労働組合(職員団体)を脱退した理由
ひとことで言うと、「組合費に見合った得がないから」です。具体的な理由は下記の通りです。
- 交渉はできるが強制力はない
- 未加入でも出世に影響しない
- 恩恵があるなら受けることができる
詳しく解説していきます。
・交渉はできるが強制力はない
公務員の場合、団体交渉権はありますが争議権(ストライキ等)は認められていません。つまり、話は聞いてもらえるけど強制力はないということです。
たとえば、国家公務員の給料は人事院勧告によって決められていて、組合の交渉は事実上関係の無いものとなっています。
国家公務員給与、7年ぶり据え置き 人事院報告
人事院は28日、今年の国家公務員の月給を前年と同額に据え置くよう国会と内閣に報告した。前年までの6年間は民間の好調な企業業績を反映して引き上げが続いていたが、2013年度以来7年ぶりの据え置きとなった。
据え置きは法改正が伴わないため、「勧告」ではなく、「報告」として行った。行政職(平均43・2歳)の月給は平均40万8868円のまま。ただ、ボーナスは7日に減額を求める勧告がされており、合計した年収ベースでは673万4千円(2万1千円減)となる見通しだ。
引用:2020年10月28日、朝日新聞デジタルより
上記を見ていただくとわかりますが、国家公務員の給料は6年間あがり続けていましたが、2020年はコロナの影響もあって据え置きとなりました。
やはり組合の力は関係無く、世の中の流れに合わせて給料が決まります。
・未加入でも出世に影響しない
職場のほとんどの人が加入しているから、出世にも影響するのでは無いか?と思いますよね。
しかし、出世に影響はありません。
なぜかというと、人事を決める管理職は組合に加入していないからです。管理職は組合から交渉を受ける立場にあるので、いわば組合と敵対する立場にあります。
・恩恵があるなら受けることができる
先ほど説明した通り、給料は人事院勧告によって決まるので恩恵は無いと思います。
もし、恩恵があるなら非組合員であっても受けることができます。
たとえば、組合の交渉結果によって給料が上がれば、非組合員にも反映されるからです。
若手公務員の私が組合を脱退した結果
組合を脱退してから約1年が経ちましたが、特に損をすることはなかったです。
しかし「職場も辞めるの?」なんて噂が立ってしまったのでもっとスムーズに辞めることができたらよかったと思っています。
組合脱退はよからぬ噂が立ってしまうこともあります。騒ぎを起こさずに辞めたい方はこちらも読んでみてください→労働組合のスムーズな辞め方
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労働組合のスムーズな辞め方
続きを見る
金銭面に関してはこれから約40年働くとしたら、そのあいだに払うはずだったお金を失わずに済んだということになります。
つまり、組合の脱退届ひとつで約72万円を手に入れたのと同じことです。
組合に交渉して給料をあげてもらうより、組合費を払わないほうがコスパが良い気がします。。。
まとめ:労働組合(職員団体)の加入は自由だけど自由じゃない現状
今回の内容をおさらいすると
- 仕事や出世に影響しません
- 人事院勧告に従うしかない
- 組合費がもったいない
こんな感じです。
先ほども述べた通り、恩恵があれば組合員じゃなくても受けることができます。それなら、組合費を払っていない非組合員が1番得をしているんじゃないかな?と思います。
職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。
出典:国家公務員法百八条の二の2
上記にもあるように加入は自由であるとされていますが、加入率が高い職場だと特に、自由だけど自由じゃないという雰囲気がありますよね。
社会人になりたてで、右も左もわからないうちに加入して辞められないのは、健全な労働環境だとは言えません。
トータルで支払う組合費は決して安くないので、加入するならせめてどんな組織なのかを理解してからの方が良いですよね。
とはいえ、「組合に入るべきだ!」とか「組合には入らない方が良い!」とか言いづらいと思うので、入庁してしばらく経って後輩ができたら、この記事をこっそり教えてあげてください。
判断材料になれたら嬉しいです。
今回は以上です。
では、また〜